『非現実の王国で』世界最長の小説を書いたS級ぼっち「ヘンリー・ダーガー」

ヘンリー・ダーガー

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「非現実の王国で」は世界最長の小説と言われている。ページ数は15000にも及ぶ。

あの長すぎて読む気にならない文学代表「失われた時を求めて」ですら約3000ページというから、いかに圧倒的か分かるだろう。

この大長編を書いたのがヘンリー・ダーガー。

彼は19歳から死ぬまでの約60年に渡り、人知れず小説を書き続けた。伝説のぼっちである。

ヘンリー・ダーガー伝説

ヘンリー・ダーガー

画像出典:http://japan.digitaldj-network.com/articles/9508.html

生前のヘンリー・ダーガーを知る者は、ほとんどいない。故にヘンリー・ダーガーと発音するのかどうかも怪しいらしい。

彼は掃除夫で生活費を稼ぎ暮らしていた。社交性はなく、友達も恋人もいない。家に引きこもり小説を書いたり、挿絵を書いたりしていた。誰にも言わずにひっそりと…。

彼が入院した際にアパートの管理人が部屋を整理しようとしたところ、長編の小説と大量の挿絵が発見された。原稿15000枚、挿絵300点。その量は圧倒的だった。60年分の重みである。

略歴

1892年4月12日、イリノイ州シカゴで生まれる[1]。
4歳になる直前に生母と死別。また、妹は里子にだされる。足の不自由な父に育てられる。
読書が好きで、小学校1年から3年に飛び級をした。だが、8歳で父親が体調を崩したため救貧院に入り、ヘンリーはカトリックの少年施設で過ごす。友達とコミュニケーションがうまくとれず、退学を体験する。
12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で、知的障害児の施設に移される。
15歳で父が死去した事を施設で知る。
16歳で施設を脱走し、260kmを歩いてシカゴに戻る。聖ジョゼフ病院の掃除人として働き始める。
19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
33歳の時、教会に養子を申請するが却下。だがあきらめきれず、何度も申請し続ける。
73歳の時、掃除人の仕事を強制的にやめさせられる。できた時間で自伝を執筆する。
1972年の暮れ、病気のために救貧院に。アパートの大家でアーティストでもあったネイサン・ラーナー(英語版)に、持ち物の処分を問われた時、ダーガーは「Throw away(捨ててくれ)」と答えたとされる。ラーナーは、アパートの他の住人と一緒に部屋の持ち物を処分している際に、残された作品を発見して驚嘆する。
1973年4月13日、救貧院にて死去。ラーナーはダーガーの死後も部屋をそのままの状態で、2000年まで保管した。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%BC

結局彼が何者かほとんどわからない。略歴はWikipediaにのってはいるが、詳細は不明である。

何かの障害があったのではないかとも推察されるが、想像の域を出ない。

ただ分かるのは、引きこもって小説を書き続けたら伝説になったということである。

死後ヘンリー・ダーガーはアウトサイダーアートの作家として知られるようになり、日本でも展覧会が開かれるほど有名になった。

人物や作品についてもっと知りたい人は⇒http://okakuro.org/henry-darger/

孤独を空想で

彼は間違いなくレジェンドぼっちである。社交性が一切ない。親も友人も恋人もいない。天涯孤独の運命を受け入れたのであろう。

そして部屋でコツコツ小説を書き続けたのだ。死ぬまで。

孤独を空想で埋めたのだ。ぼっちの天才である。

孤独には独特の辛さもあるが、彼もそれと付き合っていたのだろうか。

彼の夢は何だったのか?

幼少期に知的障害の施設に入れられ、両親が死去。友達も恋人もいない。仕事は掃除バイト。

客観的に見れば絶望的状況である。

孤独という状況の中では、夢や希望が大事である。それを失うと闇に飲まれてしまう。

では彼に夢はあったのだろうか?

小説を書いていたということは出版されるのを夢見ていたのか?

おそらく否。

あくまで趣味で書いていたと思われる。

しかし彼にとってはこの空想が唯一の楽しみだったのではないか。

酒や煙草ではなく、執筆が。

自殺せずに最後まで生きたということを考えると、何か感じるものもある。

世界最長の小説を書いたことよりも、不幸にあっても人生を全うしたということにグッとくる。

ぼっちにも色々いる。同じ引きこもりでも、シャンポリオンやワイルズとはタイプがぜんぜん違う。彼らが夢のために世俗と縁を切ったのに対し、ヘンリー・ダーガーは運命でぼっちになってしまった。

それでも彼は自分独自の道を歩んだ。尊敬の念しかない。

アート作品

彼の作品はオリジナリティがあり、唯一無二である。正当な美術教育を受けていないため、独学で絵を習得したと思われる。コラージュを用いての作品作りは非常に独創的である。

非現実の王国で

画像引用:http://www.apalog.com/yukuwabara/archive/31

非現実の王国で

画像引用:http://www.apalog.com/yukuwabara/archive/31

非現実の王国で

画像引用:http://www.apalog.com/yukuwabara/archive/31

ちなみにあまりにも長過ぎるため、全編が出版されたことはありません。読破した人もいないとのこと。

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