消極的受容力-ネガティブ・ケイパビリティ-とは何か?

海

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消極的受容力(ネガティブ・ケイパビリティ)をご存知でしょうか?

詩人ジョン・キーツが名付けた不確実なものや未解決のものを受容する能力のこと。分かりやすく言うと、物事ををあるがままに受け入れる力のことです。

ネガティブ・ケイパビリティを分かりやすく説明します

アングル

新古典主義の代表アングル「シャルル7世の戴冠式でのジャンヌダルク」出典:Wikipedia

例を出します。

19世紀の画家は、今より写実的な絵を描いていました。印象派と呼ばれる表現が登場し、新古典主義の殻を少し破ったかなという時代です。そんな時に、遠い東の国から絵が輸入されました。北斎や広重などの日本の浮世絵です。当時の画家が見たらなんて思うのか?

北斎

葛飾北斎「冨嶽三十六景 駿州江尻」出典:Wikipedia

写実好きな画家なら、こう思うかもしれません。

「こんな線画は受け入れられない。」「全然リアルではない。」「遠近法がまるでなっていない。」「我々の芸術とは比べ物にならない。」

しかし消極的受容力がある人は違う。モネ、ゴッホ、ドガなどはおそらく違った見方をしました。

「こ、これは一体!?」「今までの絵画表現とは全然違う。」「なんじゃこりゃ?!」

最初は戸惑ったかもしれません。しかし抵抗することはなく、そのまま受け入れます。そして、こう考えるようになります。

「こういう描き方もあるのか。斬新だな。」「この構図は凄い。西洋にはないぞ。」「このラインは自分の引き出しには無かったな。」

更にもう一歩進めると…

「自分の作品に活かすことはできないだろうか。」「この絵を自分の引き出しに加えよう。」

なんと吸収してしまうのです。こうしてジャポニズム(日本主義)が生まれました。

ゴッホ

ゴッホ「タンギー爺さん」出典:Wikipedia

消極的受容力がある人は、未知なるものに遭遇した時、批判するのではなく、訳がわからないながらも受け入れます。そして自分に吸収してしまいます。この力は革新者には欠かせませんでした。モーツァルトやアインシュタインなどもそうです。新しい時代を作る人は、未知なるものに出くわした時の思考回路が違うんです。

なぜネガティブ・ケイパビリティが難しいのか?

かなり分かりやすく説明したので、当たり前だろと思われるかもしれません。しかしネガティブ・ケイパビリティは難しい。

一般的に「分からないもの=受け入れがたいもの」です。未知なものや、理解不能なものが現れた時に、拒絶してしまいたくなる。そうしないと心の安定がはかれません。また「確証バイアス」と呼ばれるものがあり、自分が知っているもの、予測しているものへ答えを導きがちです。

しかしネガティブ・ケイパビリティのある人は、分からないものも不安定なまま受容します。批判も拒絶もしません。

普通だったら、宇宙人と遭遇した時に拒絶したくなりますよね?そのまま受け入れるって、ありえないですよね。ちなみに僕だったら、走って逃げます。ネガティブ・ケイパビリティって難しい。

参考文献

こちらの本には、ジョン・キーツやモーツァルトの例が載っております。といってもネガティブ・ケイパビリティを扱っているのは、たった数ページです。今回は、僕が知っている偉人に消極的受容力を当てはめて紹介しました。マスタリーは面白い本なので興味のある方は是非読んでみてください。

wikipediaーネガティブ・ケイパビリティー

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