カフカ「変身」ぼっちなりの読み解き方

hensin

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先日、主人公が孤独な小説5選!ぼっちのお供にどうぞという記事を書きました。

これを書くにあたり、カフカの「変身」を改めて読み返してみました。

実は2年くらい前に読んだ記憶があるんですが、あらすじだけしか覚えていなくて。

細部が不安だったのとせっかくのいい機会だからという理由で再読。

読み終えて思ったのは、やっぱりカフカはネガティブ神だなと。

今回は「変身」についての詳細に読み解いていこうと思います。

救いがない不条理小説をどう読み解くか

ストーリーは、ある日突然虫になってしまった男が、家族から嫌われ、部屋に引きこもり死んでいくというもの。

あらすじだけ書くと本当救いがない。

でも、これをどう読み解くのはか、その人の性格が色濃く出るのです。

例えば、シュールでユーモアと読み解く人もいます。発想がぶっ飛んでますからね。いきなり虫になったところからスタートしますし、なんで虫になったのか一切説明がない。謎をそのまま放置っ!古典文学とは思えない斬新さです。

一方で、全く笑えないという人もいます。本作はカフカの思想がもろに出ています。そう、あのダークサイドが前面に出ちゃっているのです。やばいでしょ!!

虫というのは当然カフカのこと。自分は虫けらのような存在ということ。

安直なメタファーだという人もいますが、カフカのネガティブさと思想、人生を考えれば素直にメタファーと考えるのが妥当です。

そして家族のために生きてきた主人公であったが、自分が虫になった途端に見捨てられ、嫌われる。ステッキで叩かれたり、リンゴを投げつけられたり。現代で言ったら虐待です。

これ、まさに現代の介護問題。カフカは預言者か!!それとも人間は普遍的でどの時代も同じ問題を抱えているのだろうか。

そう読み解いてしまうと、笑えない。

多分、その時の気分や年齢で感想が違う小説なのだろう。

でも素直に笑えない

しかしカフカの名言はあれほど笑えたのに、小説になると素直に笑えない。何か考えさせるものがある。

普通の人間ならこの家族みたいになりたくないだろう。そして虫になった主人公をできるだけ助けたいと思う。

でも実際にそれができるかどうか……

現実的には倫理よりも金や世間体やらをとってしまうのが人間。

ぼっちにとってこの小説は、共感する部分が多数ある。会社行きたくないし。引きこもるし。みんなからキモがられるし。

ぼっちなら一度は経験したことのあるダークサイドのオンパレード。

しかし解決策は載っていない!さすがカフカ!答えのない問題集のようなもの。

まとめ

結局カフカが言いたかったのは、自分は虫けらで、家族に嫌われていて、世の中に絶望していて、あとは何も抵抗することなく死にゆく運命なのだということ。

って暗すぎだろっ!!

でもカフカがすごいのは、シュールすぎるということ。ダークサイドを突き詰めすぎて、逆に唯一無二になってます。これぞカフカ!

ネガティブさも突き詰めると個性になるということ。でもダークサイド危険だから気をつけて!ってか、ここまで暗い人そうそういないよね。

個人的にはぼっちあるあるに共感しつつも、ラストみたくならないように反面教師にして生きるのがいいかと。

本当に死にたいくらいやばかったら逃げていいんだから。そう、逃げていい。

主人公の虫もこっそり家から逃げ出して、大自然の中、一人で暮らせば幸せになれたのかもしれないのに。

今まで住み慣れた家や家族や仕事などのしがらみがあるとそれに執着し離れられなくなる。ホメオスタシス(恒常性)はそれくらい強力ということかもしれない。

でも父親からステッキで叩かれた時点で決断すべきだった。リンゴを投げられた時に行動すべきだった。

あの家にいても何も人生が変わらないということは想像できたはずだ。それでも主人公は居続けた。かすかな希望を持って、近くの森や山へ逃げても良かったのではないか。

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